オペラ座バレエ、「オネーギン」。2回目、マチュー・ガニオ&リュドミラ・パリエロ。
私の最後のマチュー公演。3月2日が、マチューのアデュー公演。
2001年10月から25年弱、何百回もの感動と喜びをくれた。
ラストダンスにふさわしい、今宵の「オネーギン」。
リハーサルの時同様、どこまでも自然体なのに饒舌に、エフゲニー・オネーギンの哀愁と厭世と絶望を、立ち姿、歩み、手の動き、表情、そしてダンスで表現してる。心を打つ、とはまさにこのこと。ただただ素晴らしい。
演技面で言えば、最初のソロの憂いの目や、タチアナの本へのせせら笑い、うんざりため息はもちろんいいけど、マニアックに見るなら、決闘シーン。右奥の暗がりで発砲する時、薄ら笑いを浮かべてる。薄ら笑いなのか絶望の微笑みなのかは微妙だけど、そこにいたるまでの緊張感漂う数分の後のうすい微笑みが、ちょっとゾッとするというか、とてもドラマティックに感じる。(誰も見てないよね、こんなところ笑)
プーシキン読みたくなる。バレエとオペラは何度も観てるけど、原作読んでない。
歩く時の足の方向、頭から顎、首、肩、胸のライン、手首のちょっとした傾げ方がどこまでもノーブルで、これぞ、パリ・オペラ座バレエのダンスール・ノーブルのお手本!な感じ。
マニュとかエルヴェもそうだったね。これからのオペラ座には、正統ダンスール・ノーブルはいなくなるのかな…。
絶品マチューを支えるかのように、リュドミラ&レオノールも抜群。
リュドミラの、軽やかすぎる空中の動きや、ほれぼれする脚、レオノールのキレとしなやかさとチャームを合わせたキラキラするような動きが、それぞれマチューとよくあってる。
リュドミラとは多くの作品を一緒に踊ってきたし、レオノールとも数年前の「ラ・ダム・オ・カメリア」で完璧なパートナーシップ見せてくれたっけ。
マチューの表情&一挙手一投足から目が離せない上、リュドミラもレオノールも見たいしで、大忙し…。マチューもリュドミラも、早すぎる引退が本当にもったいない。