日本経済新聞電子版の報道によれば不動産情報サービス会社が2025年5月時点で調査したところ、東京23区の賃貸マンション平均募集家賃価格は単身者向け(専有面積30平方メートル以下)物件で前月比0.7%アップの10万634円と初めて10万円を超えました(図表も同紙から)。1年前と比べ、8.4%も上昇しています。
東京への一極集中が続く中、単身者の東京都心部への流入が続き、賃貸需要が強くなったにも関わらず供給が減っていることがその背景にあります。
毎月の家賃が10万円なら年間の支払いは120万円です。家賃は年収の30%が限界とすれば年収400万円無いと住めないことになります。
この数字はあくまで平均値ですから10万円よりも家賃の安い物件を探せば住めなくはありません。しかし、税金や社会保障費の負担も考慮すれば収入のハードルが以前よりも上がっていることは確かです。
不動産の価格と賃料の上昇の影響は単身者だけではなく、ファミリー層にも出ています。
東京23区ではこれまでファミリータイプの広いマンションの価格上昇が続いてきました。ファミリー世代は賃貸よりマイホーム志向が強いのが特徴です。
しかし、今や東京23区の70平米の中古マンションの平均売り出し価格も1億円を超えてしまいました。住宅ローンを組んでも簡単には買えない水準になっています。
1億円を超えるいわゆる「億ション」を購入できるのは、高収入のパワーカップルや親からのサポートが受けられるような一握りの人たちだけです。
サポートなしに自分たちの稼ぎでだけで購入するなら、世帯収入で2,000万円近く必要です。
私の住んでいる晴海はファミリーが住む集合住宅街ですが、最近は日本人ファミリーよりアジア系の外国人が目立つようになってきました。
東京23区の外国人比率はこれからどんどん高まり、日本人で住めるのは高所得者か値上がりする前に持ち家を買えた人たちだけになっていくでしょう。