研究では、ガラス瓶内に検出された粒子の色や形状、そして化学組成が、キャップの塗料と完全に一致することが確認されました。

つまりキャップの塗装が剥がれ落ちて、飲料の中に混入していたのです。

さらにキャップの表面には、肉眼では確認できない微細な擦り傷が多く存在しており、保管や輸送時に他のキャップと擦れることで、塗料がはがれて粒子化していたと考えられます。

飲み物の種類によっても違う?

今回は「容器」と「マイクロプラスチック」の関係に焦点を当てたものでしたが、一方で、飲み物の種類によっても混入量が異なることがわかりました。

調査によると、水(炭酸・非炭酸とも)については、マイクロプラスチックの量がすべての容器で比較的低く、ガラス瓶で1リットルあたり4.5個、プラスチック瓶で1.6個となっていたのです。

またワインにも、たとえキャップ付きのガラス瓶であっても、ほとんどマイクロプラスチックは含まれていませんでした。

この違いの理由はまだ科学的に解明されていません。

画像
Credit: canva

反対に、清涼飲料水には1リットルあたり約30個、レモネードには40個、ビールには約60個のマイクロプラスチックが含まれていました。

ANSESによると、マイクロプラスチックがどの程度で毒性をもつかという基準値が存在しないため、これらの数値が健康リスクを意味するかどうかを判断することはできないといいます。

しかしこれまでの研究では、人体へのマイクロプラスチックの混入や蓄積が体内炎症を起こしたり、細胞内に侵入して、正常な働きを混乱させる可能性もゼロではないと指摘されています。

そのため、マイクロプラスチックの摂取はできるかぎり避けておいた方がいいでしょう。

全ての画像を見る

参考文献

Glass bottles found to contain more microplastics than plastic bottles
https://phys.org/news/2025-06-glass-bottles-microplastics-plastic.html