愛車の劣化を早めてしまう「水分」

乗用車に乗るほぼすべての人が触れる部品がシートです。
ソファのような座り心地の高級車のシートや、体をガッチリ固定するスポーツカーのシートなど、シートとひとくちに言ってもさまざまなものがあります。
形状はもちろん表皮の生地も、布、本革、合成皮革などさまざま。値段であったり手触りであったり、車に乗っている間ずっと身を預けることになりますから、車のシートにはこだわりがあるという人も珍しくありません。
さて、そんな多種多様な乗用車のシートですが、表皮に使われている素材は基本的には「水分」にはあまり強くありません。濡れてしまうと劣化を早めてしまうおそれがあります。
雨の日には乗り降りをサッと済ませる人がほとんどなので、わざとシートを水気にさらし続ける人は少ないかもしれませんが、シートの劣化を早めてしまう水分はほかにもあります。
「汗」の水分がシートやハンドルの生地を傷める

夏など暑い日は外で汗をかき、そのまま車に乗ることになることがあります。背中の汗が服に染み付いたままシートに背中を預けると、その汗がシートへうつってしまうことに。
また、汗をかいたつもりがなかったとしても、長時間座っていることで蒸れて汗がにじみ、シートに付着。暑い日でなくとも、シートは気づかないうちに汗を吸い込んでいってしまうのです。
ハンドルも基本的には握りっぱなしですので、ハンドルの生地もシート同様に手の汗を吸い込んでいってしまいます。
汗には、塩分、タンパク質、そして水分など生地にダメージを与える成分が含まれているため、そのままにしていると生地を傷めることになり、変色や染み、ひび割れ等の原因となります。
そのため、汗が付着したら可能な限り早めに拭き取るようにすることが重要です。汗汚れは水溶性ですので、固く絞ったタオルで拭くだけでも十分に拭き取りが可能です。ただし、そのあとに乾拭きをすることも忘れずに行いましょう。
その都度拭くことがもっとも理想的ですが、運転中はそうもいきません。しかし、車を降りる際にサッとひと拭きするだけでも十分に効果があります。ドライブを終えたときの習慣として行うようにすれば、シートやハンドルの生地の劣化を抑えることにつながるでしょう。
シートカバーやステアリングカバーを使うときは注意

汗から保護するためにシートカバーやハンドルカバーを活用することはとても効果的です。
汗や汚れが生地へ直接付着してしまうことを防げますし、外して洗うことが難しいシートやハンドルと違い、カバーであれば丸洗いも比較的かんたん。また、カバーをかけることで日光によるダメージも防ぐことができるため、劣化防止に役立ちます。
しかし、気をつけなければならないのは、カバーをかけても安全に支障がないようにすることです。「保護できればなんでもよい」という考えで、サイズがあっていないなどの不適切なカバーを使用することは避けてください。
シートカバーであれば、シートベルトを正しく装着できるか、ペダル操作などで踏ん張った際にシートとシートカバーにズレが出ないかなどをしっかりと確認しましょう。ハンドルカバーもハンドルの上をカバーが滑ってしまうようでは、緊急時の回避に支障が出てしまいます。
愛車をきれいに保つことは大切ですが、それよりも大切なことは安全です。カバーを装着する際は、ペダルやハンドルの操作、シートベルトの機能に影響がないかどうか、しっかりと確認しましょう。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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