宇佐美貴史 写真:Getty Images

 ガンバ大阪が6月22日に行われたJ1リーグ第21節でFC東京を2-0で下し、5月6日の浦和レッズ戦(1-0)以来、6試合ぶりとなる勝利を手にした。

 試合の均衡を破ったのは前半33分、G大阪のMF安部柊斗がペナルティーエリア右外で倒されて得た直接フリーキックだった。キッカーはG大阪キャプテンのFW宇佐美貴史。

 宇佐美の右足から放たれた鋭いボールは、クロスを警戒して反応が一瞬遅れた東京のGK波多野豪の手をかすめ、ゴール右上に突き刺さった。その瞬間、G大阪のホームスタジアムには大歓声が響き渡った。

 この場面について、試合後にネット上では東京の守備対応を疑問視する声が相次いだ。特に壁の枚数に注目が集まり、宇佐美が蹴ることが分かっていた状況で壁を2枚しか立てなかった判断について、宇佐美のキック精度を軽視していたのではないかという指摘が見られた。宇佐美が得意とするフリーキックでありながら、守備側が十分な対策を講じていなかったことが、失点を招いたという見方が強まっている。

 宇佐美のフリーキックについては、その蹴り方も含めて技術の高さが称賛されている。中にクロスを入れるような雰囲気を助走で演出しながら、実際には強烈なシュートを放ったことで、相手守備陣に対応を迷わせた。同選手のこうした駆け引きに加えて、ここぞという場面で決めきる勝負強さや、蹴る前から決まると感じたという声もあり、ファンの間では宇佐美に対する信頼感の高さが改めて浮き彫りになっている。

 フリーキックの名手に対して対策を怠った東京の判断は、結果として失点を招き、試合の流れを大きく変えることになった。G大阪の背番号7の右足は、チームにとって今なお最大の武器であり続けているようだ。