インテル 写真:Getty Images

 FIFAクラブワールドカップ2025に出場しているセリエAのインテルが、J1の浦和レッズと6月22日に対戦し、2-1の逆転勝利を収めた。しかし、インテルの試合内容には課題も多く、試合中に行われた戦術的な実験がチームの安定感を損なったとの指摘が出ている。

 イタリアメディア『コリエレ・デッロ・スポルト』の同日の報道によれば、インテルはこの試合において、クリスティアン・キブ監督が従来の3-5-2ではなく3-4-2-1の布陣を採用。これが攻撃面での連携に混乱を招いたという。

 前半、インテルはボール保持こそできていたが、浦和の組織的な守備に対し決定機を作るには至らなかった。特に浦和が先制した後は、インテルが主導権を握るも、危険な形には結びつかなかった。

 中盤の構成では、MFニコラ・ザレフスキとMFセバスティアーノ・エスポージトが攻撃的な位置に配置されたが、両者が他の選手と連動できず、中央とハーフスペースに選手が集中するばかりで、効果的な崩しは見られなかった。最終局面での動きには流動性も意図も欠けていたと同メディアは指摘している。

 後半、FWフランチェスコ・ピオ・エスポジトが投入され、インテルは3-5-2に近い形に戻したことで、浦和のペナルティエリアへの攻撃に明確な軸が生まれた。

 試合はMFバレンティン・カルボーニのアディショナルタイムでのゴールによりインテルが勝利。結果的に勝点3を手にしたものの、戦術面では試行錯誤が目立った試合だった。