ビクトル・ギェケレシュ 写真:Getty Images

 ポルトガル1部のスポルティングCPに所属するスウェーデン代表FWビクトル・ギェケレシュが、移籍候補先であるプレミアリーグのアーセナルからの正式オファーが届かない現状に、強い苛立ちを感じているという。

 6月20日に配信されたポッドキャスト『On the Continent』において、欧州サッカーを専門とするライターのアンディ・ブラッセル氏は、ギェケレシュを巡る移籍交渉の現状について詳しく語った。

 ギェケレシュは市場に出る際、スポルティングの会長と「6,000万ポンド(約117億6,558万円)程度で移籍を容認する」という紳士協定があったと信じていたが、クラブ側がそれを撤回したという。さらに会長は、他クラブからの提示されたオファーに満足していないとして、契約解除条項にあたる約6,800万ポンド(約131億3,022万円)の全額支払いを要求する構えを見せ、ギェケレシュおよび代理人に対して圧力をかけているようだ。

 そのような状況も手伝ってか、アーセナルはこれまでにギェケレシュ獲得の正式なオファーをスポルティング側に提示しておらず、ギェケレシュはこの状況に「強い苛立ちを感じている」と報じられている。スポルティング側もこの交渉の停滞に不満を示しており、現状を好機と捉えたセリエAのユべントスが関心を強めているという。

 なお、ラ・リーガのアトレティコ・マドリードで2013から2024年までスポーツディレクターを務めていたアンドレア・ベルタ氏は今夏からアーセナルの同職に就任した。

 同氏は、複数の補強候補と同時に交渉を進め、最終的に一人に絞るという方式を採っている。この戦略により、アーセナルはギェケレシュとブンデスリーガーのRBライプツィヒのFWベンヤミン・シェシュコを並行して交渉している推測される。

 ギェケレシュ自身はプレミアリーグでの挑戦に強い意欲を見せており、アーセナル移籍を望んでいると伝えられており、同クラブとスポルディングの間の移籍に関する駆け引きに巻き込まれているのかもしれない。