EEATという概念に集約?
LLM検索への対策としては、情報の負荷も大きな要素になってくると、Laboro.AIのソリューションデザイン部、シニアソリューションデザイナの白鳥氏はいう。
「普及が進んでいるAIエージェントは、単純にテキスト情報を調べたりテキストを生成するというだけではなく、自律的により複雑なタスクをこなしたり、自己フィードバック、自己認識をして、自分が出した出力を確認した上で『どこが間違っているのか』という校正・校閲のようなことを行い訂正するということまでできるようになってきています。そうすると、情報を読み込むための負荷が少ない情報のほうが、LLMやAIエージェントによって引っ張られやすくなり、検索結果において優先度が上がってくるはずなので、企業側のコンテンツにはより正確性が求められるようになってきます。
従来のSEOやLLMOでは、ページ上のコンテンツが多少正確性に欠けていても、被リンクが多ければ信頼性が高いと判断されて引っ張られていた面もありますが、AIエージェントの登場によってフェーズが変わるのではないかと考えられます」
では、企業はすぐにでも本格的にLLMOに取り組む必要があるのか。
「AI Overviewなどの登場でコンテンツの網羅性、多様性、構造性、正確性などが重要視されると、結局のところ必要な対策は、グーグルが重視する指標であるEEAT(Experience<経験>・Expertise<専門性>・Authoritativeness<権威性>・Trustworthiness<信頼性>)という概念に網羅されるのではないかと結構思っていまして。そうなると、企業側としての対策はこれまでとあまり変わらないのではないかという考え方もあるでしょう。ChatGPTも裏側ではグーグルの検索システムを使っていたりしますし、生成AIのリーズニングモデルでも裏側ではキーワード検索していたりもするようです。
ただ、GEOやLLMO、AIエージェントの仕組みなどを知った上で従来と同じことをやるのと、知らないでやるのとでは、対策の仕方や結果は微妙に変わってくるとも考えられます。FAQのような問いと解答があるという構造化されたコンテンツは検索で引っ張られやすいのではないかということはいわれているので、とりあえずそれをたくさん載せましょうみたいな方向に動いていくのではないでしょうか」(和田氏)
(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=Laboro.AI)