FIFA 写真:Getty Images

 FIFAが主催するクラブワールドカップ(クラブW杯)2025は、観客数の少なさと過酷な気象条件が大会の評価に影を落としているのかもしれない。アメリカ国内で行われている今回のクラブW杯では、試合によっては空席が目立ち、サッカー競技そのものの価値や運営姿勢に疑問の声が上がっている。

 英メディア『Daily Star』が6月19日に報じたところによると、19日にオハイオ州のTQLスタジアムで行われたオーストリア1部のレッドブル・ザルツブルクとメキシコ1部のパチューカ一戦(2-1)では、観客数が5,282人にとどまった。同スタジアムの収容人数は26,000人であり、テレビ中継には多くの空席が映り込んだ。同メディアでは、観戦者からの声が報じられており話題となっている。

 「こんなにも空席ばかりのクラブW杯の試合を見るのは本当に憂鬱だ」「アメリカ人はサッカーが好きではないようだ」「試合を実際に2つ見たが、空席の列がこの大会の真剣さを損なっている」

 ただし、この試合が今大会の最低観客数ではなかったようだ。6月18日に行われた南アフリカ1部のマメロディ・サンダウンズとK1の蔚山HDが対戦(1-0)したフロリダ州オーランドのInter & Coスタジアムでは、観客数が3,142人にとどまり、今大会最少となったという。

 さらに、観客数だけでなく天候も問題となっている。ザルツブルク対パチューカの一戦では、後半開始後に落雷の影響で約1時間中断された。加えて、連日の猛暑も選手・監督・観客から懸念されており、追加の給水タイムや試合時間の見直しを求める声が上がっている。

 しかし、世界各地の視聴者に向けたテレビ放送の都合もあり、FIFAは柔軟な対応が難しい状況にあるようだ。

 FIFAにとっては、2026年夏のワールドカップ本大会を前にまた新たな課題が突き付けられているのかもしれない。