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自民党の公約「現金給付」決定
自民党石破政権は「物価高対策」が重要争点となる7月の参議院選挙の目玉政策として、国民一人当たり2万円を給付する「現金給付」を決定した。家族5人では10万円になり、住民税非課税世帯にはさらに加算されるというものである。
立憲、共産を含む野党各党は物価高対策として消費税減税を主張しているが、自民党はこれを拒否している。消費税は社会保障の重要財源であること、相当額の税収減が生じること、再度の消費税増税は困難であること、消費税減税は手続きに時間がかかり即効性がないこと等を理由としている。
「現金給付」に対するバラマキ批判
野党各党からは自民党の「現金給付」に対しては参院選目当ての「バラマキ」であり、「選挙買収」との激しい批判がある。日本維新の吉村代表は、ネットで「現金給付はギャンブルや遊興費に消えたり、貯金に回るだけだ」と批判している。物価高対策として効果が無いというのである。国民民主の玉木代表も党首討論で石破首相に対して激しい「バラマキ批判」をしている。
共産党も「石破首相の2万円給付表明は一回限りのバラマキであり、血税使った選挙対策だ」と批判している(「赤旗」2025年6月15日)。このように「現金給付」はバラマキ批判が多く世論調査でも支持が少ない。
非課税世帯などに即効性有る「現金給付」
しかし、筆者は消費税減税よりも自民党の「現金給付」を支持したい。その理由は、物価高対策として「現金給付」は非課税世帯や子供が多い世帯さらには年金生活者には即効性が有り有効であること、消費税減税は多額の消費をする富裕層に有利であること、消費税減税により社会保障財源が減少すること、などである。そうだとすれば、「現金給付」をバラマキと決めつけるべきではないであろう。「現金給付」を待ち望む非課税世帯など、「声なき声」の国民も少なくないと言よう。