たった1粒の光が原子2つを同時に叩いた瞬間 / 装置を電気回路の視点で分かりやすく描いた回路図です。この図では、人工原子が「ジョセフソン接合」と呼ばれる量子力学的に振る舞う特殊な接合素子を含んでいることが示されています。また中央の共振器部分は、インダクター(コイル)とキャパシター(コンデンサー)からなる典型的な「LC回路」として描かれており、ここでマイクロ波(光子)が蓄えられ、原子と強く相互作用します。つまり、図のジョセフソン接合は人工原子の心臓部に相当し、LC回路はその原子たちとやりとりする光子の「遊び場」として機能しているのです。図において、「α₁」「β₁」「a₁」「b₁」および「α₂」「β₂」「a₂」「b₂」など、ギリシャ文字やアルファベットでラベル付けされた×印(×マーク)が、ジョセフソン接合を示しています。ジョセフソン接合こそが、量子回路を「量子」たらしめる、いわば量子現象が現実世界に顔をのぞかせる『量子のゲートウェイ』にあたる部分なのです。/Credit:Spectral properties of two superconducting artificial atoms coupled to a resonator in the ultrastrong coupling regime