水戸ホーリーホック 写真:Getty Images

 ハノーファーは19日、水戸ホーリーホックから期限付き移籍により加入していた元U20日本代表DF松田隼風の完全移籍移行を公式発表。トップチーム昇格も正式決定したが、現地メディアが移籍金について報じている。

 現在21歳の松田は、U20日本代表の一員としてFC U20アジアカップやFIFA U20ワールドカップに参戦。国際舞台で実績を積み重ねると、2023年6月に水戸の育成業務提携先であるハノーファーへ期限付き移籍。海外挑戦1年目からU23チームの一員として、ドイツ4部リーグ28試合の出場で3ゴールと結果を残していた。

 期限付き移籍期間の延長でハノーファーに残留すると、2024/25シーズンはドイツ3部リーグ戦34試合の出場で1ゴール4アシストをマーク。6月6日に一度ハノーファー退団が公式発表されたが、地元メディア『ノイエ・プレッセ』が12日にハノーファーへ完全移籍する可能性を報じていた。

 今回の完全移籍移行に伴い、ハノーファーと松田は新たに2028年6月までの複数年契約を締結。ドイツ紙『ビルト』は同選手の移籍金について「最大20万ユーロ(約3,300万円)と少額だが、両クラブのパートナーシップ契約により相殺される」と伝えている。

 水戸とハノーファーは2023年4月に3年間の育成業務提携を締結。水戸の公式サイトでは「水戸ホーリーホックに所属する若手選手が毎年1名、ハノーファー96のU23チーム(レギオナルリーガ所属:ドイツ4部リーグ相当)へレンタル移籍し、そこでトレーニングや試合を通じて、トップレベルへのステップアップを目指していくことになります」と内容が記されているが、松田の完全移籍移行が育成業務提携の成功例となっている。

 なお、ハノーファーのトップチームは2025/26シーズンからクリスティアン・ティッツ氏が指揮。同氏はハンブルガーSV、FCマグデブルク監督時代にFW伊藤達哉(現川崎フロンターレ)を指導していた。