保険料の適正化や現役世代の負担軽減といったテーマは、ともすれば「専門的で難しい話」として敬遠されがちです。

しかし本来、これらの制度は私たちの生活と直結する“超”身近なもの。

病気になったとき、老後の生活を迎えたとき――社会保障がどう機能するのか、そして誰が負担するのかを「知らないまま大人になる」ことが、果たして当たり前でいいのでしょうか?

中長期的な改革としては、社会保障改革には「教育」もスコープに入ります。社会保障制度の仕組みと実態こそ、小中学校の義務教育でもっと教えるべきだと。

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たとえば、現役世代が毎月どれほどの社会保険料を納めているのか。その保険料がどこへ消えていき、誰のために使われているのか。少子高齢化が進めばどれだけ負担が重くなるのか。

こうした“現実”を知らずに社会に出て、気づけば毎月の給与から天引きされる額の大きさに驚き、「何のために払ってるの?」と不信を抱く若者が後を絶ちません。

制度の正体を知らないままでは、改革の必要性にも気づけず、声を上げることもできないのです。

無知は搾取を生む。 情報格差は、政治的な無力感と制度への諦めを生みます。

だからこそ、税金・社会保障・財政の仕組みを生活科や社会科の延長として、もっと当たり前に学べる教育が必要です。

単に「働いたら年金もらえるよ」「医療は3割負担だよ」と教えるのではなく、その裏にある制度設計と負担の構造まで掘り下げる。未来の有権者を育てるためには、それくらいの“政治的リテラシー”があって然るべきではないでしょうか。

教育は、遠い未来の話ではありません。 いま仕込んだカリキュラムが、10年後・20年後の改革の下地になります。

子どもたちが将来「知らなかった」で苦しまないように、制度の実態を早い段階から伝えていく教育改革にも取り組んでいきます。

編集部より:この記事は、前参議院議員・音喜多駿氏のブログ2025年6月17日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。