アスリートのパフォーマンスを左右する「体内時計」
この研究結果は、スポーツ心理学の観点からも非常に興味深い。研究者たちは、もし競争相手の存在が時間の遅さを紛らわせる助けにならないのであれば、アスリートは退屈さを感じずに集中力を維持するために、何か別のものに注意を向ける必要があるかもしれない、と示唆している。
また、トップアスリートにとって、自身のペースを正確に把握することは極めて重要だ。例えば、競泳のマイケル・フェルプスのような超一流選手は、レース展開を体に覚え込ませるためにイメージトレーニングを多用するが、そこでも正確な時間感覚は鍵となる。ほんのわずかなタイミングのズレが、世界記録を逃す原因にもなりかねないのだ。

研究チームは、「運動中の時間認識における外部からの刺激、運動強度、持続時間の影響をさらに解き明かすためには、より多くの研究が必要だ」と結論付けている。これらの要因はすべて、タイミング、ペース配分、そして身体活動における最適な結果の達成に影響を与えるからだ。
将来的には、一定のリズムで光るライトなど、新しい技術がアスリートのペース感覚やパフォーマンス目標の達成をサポートする可能性も示唆されている。レースで終盤に失速してしまった経験は、多くのアスリートが持っているだろう。
「ジムでは時間が遅く感じる」という“ネタ”に科学的な裏付けが加わったことで、我々の時間感覚に対する理解も新たな段階に入った。次にジムで汗を流すときには、「今、自分の時間だけがゆっくり進んでいるのかも」と思いながら、その不思議な感覚を楽しんでみてはいかがだろうか。
文=深森慎太郎
提供元・TOCANA
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