
元日本代表FW三浦知良の古巣であるポルトガル2部所属UDオリヴェイレンセは、今もなおFIFA(国際サッカー連盟)からの補強禁止処分が解除されていない模様。背景に、FC東京下部組織出身選手の移籍に関する手続きが絡んでいるという。
横浜FCと同じく『ONODERA GROUP』が経営権を有するオリヴェイレンセは、2023年にDFタイラー・キーティングを獲得。同選手はU19チームでのパフォーマンスが評価されて2024年7月にトップチーム昇格を果たしており、2024/25シーズンはポルトガル2部リーグ戦8試合に出場している。
FIFAで2025年4月に掲載された文書によると、FC東京の下部組織でプレーしていたキーティングの獲得にあたり、オリヴェイレンセはFC東京をはじめ過去在籍クラブと育成補償金の支払いを放棄することで合意。その旨をFIFAに通知する必要があったが、通知で不備があったとして補強禁止処分と5,000スイスフラン(約88万円)の罰金が科されたという。
キーティングはアーセナルサッカースクール東京(現ユーロフットボールアカデミー)、FC東京U-15むさし、東急SレイエスU-18、アメリカのバルサ・レジデンシーアカデミーを経て、オリヴェイレンセへ加入しているが、これらのクラブに対して支払うべき育成補償金はおよそ10万ユーロ(約1,660万円)にのぼるとみられる。
オリヴェイレンセには現在、キーティングをはじめ複数の日本人選手が在籍。かつてFC東京に在籍していたMF三田啓貴は、タイ国内クラブへの移籍が決定的と報じられている。また、MF永田滉太朗に関しては、横浜FCから期限付き移籍期間が2025年6月末に満了。補強禁止処分が解除されないとなれば、同選手の去就に影響が出そうだ。