離れて暮らす高齢の親を見守るために利用したい「配食サービス」
高齢の親との連絡が途切れがちな場合に活用したいのが、食事を自宅まで届けてくれる「配食サービス」だ。
シニアの一人暮らしでは、食材の買い出しから調理までが負担になり、規則正しい食習慣を維持するのが難しくなるケースも多い。1日1食でも健康に配慮した弁当が届くのは安心につながるはずだ。また、シニア向けのサービスでは弁当の配達を玄関先で手渡しすることが多く、安否確認も兼ねているのも特徴だ。利用者に何か問題があれば、指定の連絡先に通報するサービスもある。
年齢や要介護度といった条件はあるものの、申請すれば配食サービスを利用時に補助金をもらえる市区町村もある。例えば東京都渋谷区では、75歳以上、介護保険で「要支援」「要介護」の認定を受けている、「事業対象者」の判定を受けている、セーフティーネット見守りサポート事業に登録しているなどの条件があるが、区と事業協力している業者の弁当にかかる費用を1日150円分補助してもらえる。業者によって弁当の価格はさまざまだが、平均的な価格帯のものを選べばワンコイン程度で1食分をまかなえる。
1食150円の助成というと大した金額ではないと思うかもしれないが、物価高の時代にはありがたい制度といえるだろう。
配食サービスがない自治体や条件が合わない場合は、民間の配食サービスを利用するのもおすすめだ。例えば、「ワタミの配食」では、配達員が毎日決まった時間帯に手渡しで弁当を届けるのでシニアの安否確認として有効だ。弁当はメニューや味付けに変化があり、毎日食べても飽きないよう工夫がされている。「まごころ弁当」では、糖質やカロリー、たんぱく質などを調整した弁当も取り扱っている。利用者の噛む力に合わせて、食材の軟らかさや刻み方が選べるのも魅力だ。
民間の宅食サービスでは、無料もしくはお得な価格でお試しができることも多い。帰省の際に親と一緒に食べ比べをしながら、どこの配食サービスがよいかを検討するのもよいだろう。
(文=藤川ゆきえ/終活ライター)