石破首相はいまや官僚や一部の取り巻きの言いなりになりがちで自分で物事を考え、判断する余力があまりなく、故に国会答弁も迫力がないものになってしまいがちです。なぜそうかといえば取り巻きの支援体制が十分ではなく、自民党の党内力学でも全面的な協力を得られる状況にないことがあるでしょう。
ここに来て経済対策としておひとり様2万円、お子様には更に2万円、住民税を払っていなければ更に2万円を配る物価高対策は石破氏の「本意ではなく、やりたくないけれど、渋々やむを得ず、苦渋の選択でそうせざるを得なかった」わけです。これが本当に自民党が選挙を勝ち抜くための方策だったのか、私には失望なのであります。賢くないです。
前述の世論調査でも自民党支持層で46.5%、全体では65.7%が現金給付を「評価せず」の意見です。評価しない人の声を代弁すると「一時の小遣い」より恒常的な対策が欲しいのです。物価高なのでこのお金、使って補充してください、というより国民は電気代やガス代、ガソリン補助のほうが「助かるわー」ですし、小泉氏のコメ対策が高評価なのも国民は日々の物価と背中合わせだからなのです。庶民はスーパーの価格を5円10円単位で見ており、価格上昇幅以上に心理的インパクトがあるのです。私が時折日本に行き、スーパーで物価チェックを兼ねて買い物をしますが、もやし、卵、コメの値段はわかりやすいのです。石破首相はこういう国民の感性を理解する姿勢を持っているはずなのに政権運営のしがらみで自分の信念の50%も実行できていないようにお見受けします。
いかなる理由にせよ能力や実力を発揮できないならそれは政権遂行能力がないと判断せざるを得ないのです。仮に内閣解散もなく、参議院選も結果として与党安定になった時が私は一番怖いのです。石破氏の背中を押すタイミングは果たしてあるのでしょうか?日本がこれ以上、お休みしている余裕はないと思います。