カナダで開催中のG7サミットにおいて、トランプ米大統領はロシアのG7復帰を改めて主張し、2014年のクリミア併合を理由としたロシア排除は「誤りだった」との認識を示しました。トランプ氏は「G8が続いていれば、ウクライナ戦争は起きなかった」と述べ、プーチン大統領の排除がロシアの暴走を招いたとする持論を展開しています。

さらに、トランプ氏は中国のG7参加にも前向きな姿勢を示しており、G7の枠組みそのものの再定義を促す発言として注目されています。一方、他のG7首脳との間には温度差があり、共同声明への署名を拒否する可能性も報じられていました。

また、トランプ氏は中東情勢への対応を理由にサミットを途中退席し、予定を早めて帰国しました。こうした動きは、米国が多国間主義から距離を取る姿勢を象徴するものと受け止められています。

一部の識者は、ロシアのG7復帰が実現すれば、米中ロの超大国によって国際政治が運営される「新ヤルタ体制(ネオヤルタ)」の成立につながりかねないと警鐘を鳴らしています。今後の国際秩序の行方が注目されます。