清水エスパルス 写真:Getty Images

 ヴァンフォーレ甲府所属のブラジル人MFヘナト・アウグストは、かつて2019年から5シーズンにわたり清水エスパルスでプレー。怪我の影響もあり、2023シーズン限りで退団したが、怪我の治療費等を巡り問題を抱えていたという。

 同選手は2021年4月、左ひざ関節軟骨損傷のため治療により一時帰国。6月末にチームに再合流も、コンディション不良により公式戦から遠ざかっていた。また、2022年4月に練習試合でプレーしたものの、その後に再び戦線離脱。同年夏にスペインへ行き、MFアンドレス・イニエスタ(38)をはじめ、多くのスター選手の執刀医であるラモン・クガット氏のもとで治療を受けていた。

 FIFA(国際サッカー連盟)が2024年12月に公開した文書によると、ヘナトは2022年にクラブから許可を得た上でクガット医師のもとで手術している。また両者は2023年の再負傷後、クラブが治療費を負担することで合意に達したが、2022年の治療費等に関しては負担を拒否したという。

 ヘナトは2023年もクガット医師の治療を受けているが、クラブは2023年の治療費のみ一部負担で対応。選手サイドは2022年分の負担を拒否したクラブの対応を不服として、治療費や宿泊費、交通費、食費など総額78,821ユーロ(約1億3,000万円)の支払いを求めて、FIFAの紛争解決室(DRC)に申し立てを行ったが、清水が選手側に宿泊費、交通費、食費を除いた33,655ユーロ(約5,600万円)を支払うことで決着したという。

 なお、ヘナトは清水を契約満了により退団した後、2024年から甲府でプレー。加入1年目は4月までコンディション不良により公式戦全試合でベンチ外も、J2リーグ戦13試合、YBCルヴァンカップ2試合、天皇杯1試合に出場していた。ただ2025年2月12日のトレーニングで左半膜様筋損傷という怪我を負い、今季はここまで公式戦全試合でベンチ外となっている。