円盤の正体は、風力発電の「土台」だった
結論から言うと、この「謎の円盤」は陸上風力タービンの建設途中の基礎部分である。
風力タービンを支える巨大なタワーは、まず地面に深く掘られた鉄筋コンクリートの土台の上に建てられる。この基礎部分が、円盤状の本体と中央のドームという、古典的な「空飛ぶ円盤」の形に見事にそっくりなのだ。
衛星写真で確認すると、この物体の南西に少し離れた場所には、すでにタワー部分の建設が始まっている別のタービンの基礎も映っている。これは、この一帯が風力発電所の建設現場であることを示す強力な証拠だ。
実際、アルジェリア政府は現在、再生可能エネルギーへの大規模な投資を進めており、2035年までに国内電力の27%を再生可能エネルギーで賄う目標を掲げている。もともと風力資源に恵まれたこの国では、砂漠の真ん中に古代のUFOが隠されているよりも、風力タービンが建設されている方が、はるかに現実的な話というわけだ。

「UFO騒動」が真の探求を妨げる皮肉
こうした根拠の薄いUFO騒動は、かえって真剣な地球外生命体の探求を妨げる、と専門家は嘆く。UFO研究者のフィリップ・マントル氏は次のように語る。
「UFOの目撃報告や写真、ビデオの大半は、最終的に合理的な説明がつく。残りのごく一部だけが、真剣な調査の対象となりうる。今回のような写真は真に受けるべきではなく、エルヴィスがまだ生きているといった類の話と同レベルのものだ」
ロマンあふれる「古代UFO説」は、風力タービンの基礎という、なんとも現実的な結論に落ち着いた。だが、Googleマップを開けば、世界のどこかでまた新たな謎が私たちを待っているのかもしれない。
参考:Daily Mail Online、ほか
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