
タイ代表の石井正忠監督とU-23タイ代表の西ヶ谷隆之監督が、解任されるとの噂が現地で流れている。これに対し、タイサッカー協会(FAT)は日本人監督2人の現時点での解任はないと否定した。タイ代表とU-23タイ代表は成績不振に陥っており、日本人監督への批判の声が日増しに強まっている。
タイ代表は、6月10日にアウェイで行われたアジアカップ最終予選の第2節でトルクメニスタン代表に1-3で惨敗。これに先立ち行われた第1節ではホームで格下スリランカ代表に1-0で辛勝。内容も結果も伴わない苦しい試合が続いており、同予選で最大のライバルとなるトルクメニスタンに大敗したことで、タイの予選突破はかなり厳しい状況となっている。
批判が高まるなか、FATのチャンウィット・パラシービン副会長は記者会見で、「決断を急ぐつもりはない」と述べて、石井監督の解任を否定した。監督の進退については、予選終了を待って成績を総合的に判断した上で決定するとのことだ。
石井監督同様、U-23タイ代表の西ヶ谷監督についても解任の噂が堪えない。U-23タイ代表は西ヶ谷監督の就任後に5連敗を喫しており、ファンから解任を求める声が上がっている。西ヶ谷監督の去就についても、副会長は現時点で決めることはなく、年末に自国開催する東南アジア競技大会(SEA Games)の結果を待ってから判断するとしている。
FATでは最近、かつてバーレーン代表やニュージーランド代表の監督を務めたアンソニー・ハドソン氏がテクニカルダイレクターに就任。ハドソン氏が間もなく解任される日本人監督の代役を務めるとの噂もあるが、地元メディア『Siam Sports』によると、副会長はこの噂も否定した。
ただし、タイ国内では、これまで日本人監督の招聘に最も影響力を持っていたFATのヌアンパン・ラムサム会長(通称マダム・パン)の求心力が急速に弱まっているとされる。このまま代表チームが低空飛行を続け、日本人監督を擁護する後ろ盾も失った場合、石井監督と西ヶ谷監督の解任は免れないと見られている。