自民・公明・維新の3党合意でOTC類似薬の保険適用除外が決まりました。これに対して医師会や共産党が「保険適用をはずしたら患者負担が増えて貧しい人が薬を買えなくなる」と反対しています。

これは来年度予算の「骨太の方針」に入りましたが、具体的に何を適用除外するかは決まっていないので、戦いはこれからです。保険適用をはずしたら高くなるのか、チャットGPTに聞いてみました。

Q. OTC類似薬って何ですか? 「OTC」は Over The Counter の略で、薬局のカウンターで買える市販薬 のことです。 OTC類似薬は市販薬と同じ成分・効果ですが、病院だと保険が適用されて安く買える薬。正式には「医療用医薬品」と呼ばれます。 Q. なぜそれがこんなにもめるんですか? 同じ薬なのに、薬局で買う市販薬より病院で処方された方が安いためです。 処方薬:保険がきいて1割~3割負担 市販薬:全額自己負担 Q. OTC類似薬が保険適用除外になると高くなるんですか?

結論からいうと、多くの患者にとっては薬の価格は上がる可能性が高いが、診察費を加えるとわかりません。以下に、わかりやすく整理して説明します。

✅今まで(保険適用あり):病院で処方 → 3割負担+再診料

例:フェキソフェナジン(アレグラ)

薬価10円 × 7日分 = 70円 × 0.3 = 21円 診察料と合わせて 約240円前後

✅保険適用除外後(すべて自費)

市販薬を薬局で買う → 全額自己負担 アレグラの市販版:約100円 × 7錠 = 700円→ 自己負担は3倍以上に増加

Q. 診察費を入れると市販薬のほうが安い場合もありますね?

以下では「処方薬(OTC類似薬)を病院で受け取った場合の自己負担額」と「市販薬の実売価格」を比較してみます。

✅計算条件

健康保険:3割負担 診療報酬(再診):73点 = 730円 × 0.3 = 219円 処方薬の薬価は1錠あたりの値、1回1錠 × 7日分(7錠)

成分名(一般名) 薬価(7錠) 診察料 処方薬合計(3割負担) 市販薬価格(最低価格) 差額

フェキソフェナジン 10円×7×0.3 = 21円 219円 240円 約300円 市販薬が1.3倍

ロキソプロフェン 12.3円×7×0.3 ≒ 26円 219円 245円 約280円 市販薬が1.3倍

ファモチジン(ガスター) 10円×7×0.3 = 21円 219円 240円 約350円 市販薬が1.4倍

アンブロキソール 8.5円×7×0.3 ≒ 18円 219円 237円 約210円 市販薬が安い

ブロムヘキシン 4.2円×7×0.3 ≒ 9円 219円 228円 約175円 市販薬が安い

クロルフェニラミン(EVE) 3.8円×7×0.3 ≒ 8円 219円 227円 約175円 市販薬が安い

薬だけの価格を比較すると市販薬のほうが高いが、診察費を入れると薬局で買うほうが病院へ行くより安い場合も多い。 病院へ行く交通費や待ち時間を考えると、忙しいビジネスマンにとっては、病院に行って処方してもらうという選択肢はほぼないでしょう。

Q. ではOTC類似薬を適用除外するとどうなるのでしょうか?

OTC類似薬を保険適用から外すことは、メリットとデメリットの両方があります。

✅ 適用除外しないほうがいい理由(患者の立場)

経済的に困る人が出てくる 慢性の患者は困る:常用すると価格差が大きくなる 自己判断による服薬リスク

✅ 適用除外したほうがいい理由(制度の立場)

医療費を減らせる

OTC類似薬だけで年間1兆円の医療費が使われている。 そのうち保険医療費は4000億円。これをなくせば保険医療費が削減できる。

過剰医療を削減できる

湿布や花粉症で来院する人が多い。特に後期高齢者は1割負担なので過剰。 これから1000万人産業になる医療の生産性を上げることが重要。

Q. OTC類似薬を保険から外すと全体の国民負担はどうなるんですか?

上の表で、たとえばフェキソフェナジンを7錠処方してもらうと、患者の負担(3割負担)は240円ですが、国に請求される薬価・診療報酬は残る7割の560円。これは薬局で買う市販薬の300円より高い。 保険適用を外せば、この560円は社会全体の負担から除外され、公的医療費(税金+保険料)の支出が減ります。 つまりOTC類似薬を保険適用から外すと国民負担は減るのです。それは病院で薬をもらうと、薬価の7割を他の保険加入者が支払っているからです。

Q. ではなぜ反対する人がいるんですか?

もっとも強く反対しているのは、日本医師会のように今の無駄な医療でもうけている人々です。特に後期高齢者は1割負担なのでOTC類似薬が圧倒的に安く、必要のない薬でも開業医でもらう人が多い。 もう一つ反対するのは、アトピー性皮膚炎などで長期にわたって薬を使う人です。これも上の表のように、保険適用をやめて薬を自由競争にすれば、診察費を入れると市販薬のほうが安くなる場合が多い。 健康保険の本来の趣旨から言っても、風邪や花粉症などは保険をかけるべき「リスク」ではないので、自己負担にすべきです。