JFA審判 写真:Getty Images

 ドイツ人審判員のフロリアン・バドストゥーブナー氏とマルティン・ペーターゼン氏は2025年5月、複数のJリーグ公式戦で主審を担当。Jリーグ審判員の特徴や公式戦での選手、観客の振る舞い等に言及している。

 ドイツサッカー連盟(DFB)公式サイトで6月13日に掲載されたインタビュー記事によると、バドストゥーブナー氏は「日本人の審判員はルールブックに厳密に従う。それがゆえに、(ファウルなどにより、)かなり頻繁にプレーが止まる」とJリーグ公式戦の特徴に言及。「時には、ルールブックに100%固執するのではなく、ルールの範囲内で、何がより良い判断なのか感じ取らなければならない」と改善点を指摘している。

 ただ一方で、同氏は「プレッシャーのかかる状況でも自信を持って行動し、明確なジャッジを下すという点で、さらに上達する可能性を秘めている。それはクオリティーの問題ではなく、メンタリティーの問題。みんなを怒らせないように、喜ばせようとすると、難しくなる」と、日本人審判員へのアドバイスを忘れなかった。

 一方、ペーターゼン氏は出場選手やスタジアムに訪れたファン・サポーターの振る舞いを絶賛。「日本では選手たちがピッチに入場した後、審判が笛を一回吹くと、全員が一礼して握手を交わす。試合終了後も同じことが行われる。審判と選手たちがピッチ中央で一列に並び、全員が一礼して握手する。これは日本の良いところだと私は思う」とコメントしている。

 ブンデスリーガをはじめトップレベルの舞台での経験が豊富な両氏は、日本サッカー協会(JFA)の「審判交流プログラム」として来日。J1リーグ戦3試合、J2リーグ戦1試合、ルヴァンカップ1試合で主審を務めたが、バドストゥーブナー氏は国立競技場で行われたFC東京対サンフレッチェ広島の一戦が印象に残っている模様。「4万7,000人ほどの観客が詰めかけたし、雰囲気がとても素晴らしかった」と振り返っている。