
プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドから、2025年6月末までラ・リーガのレアル・ベティスへローン移籍中のブラジル代表のFWアントニー。同選手は1月べティス移籍後の活躍を経て6月にブラジル代表へ復帰した。6月のFIFAワールドカップ(W杯)北中米大会南米予選に2023年以来(当時は元恋人へのDV容疑で招集取り消し)の代表招集を受けたアントニーの言葉には、これまでの苦闘がにじんでいる。
アントニーは1月にベティスへ期限付き移籍し、2024/25シーズン後半にラ・リーガで9ゴールを挙げるなど、クラブの来2025/26シーズンのUEFAヨーロッパリーグ(EL)出場権獲得に貢献する好パフォーマンスを見せた。これにより、ブラジル代表指揮官に就任したカルロ・アンチェロッティ監督から招集を受けたが、6月のW杯予選では試合出場には至らなかった。
そんな中、ユナイテッドに特化したUKメディア『United In Focus』(6月10日付け)は、アントニーがブラジルサッカー連盟に語った発言を伝えている。
「今回の代表招集は、2021年の初招集以上に感情的だった。どん底を経験し、神と家族に支えられて立ち直った」
ユナイテッドでは通算96試合12ゴールと期待に応えられず、2023年以降はブラジル代表からも遠ざかっていた。
苦境の中で希望を失いかけた時期について、アントニーは「ブラジル代表として2022年のW杯に出場した。それには意味がある。自分はサッカーを忘れたわけではない」と自分に言い聞かせていたことを明かしている。ユナイテッドでの苦い経験を「人生に必要なプロセスだった」と振り返り、「今の自分は以前より強くなった」と語った。
アントニーはブラジル代表でこれまで16試合に出場しているが2ゴールにとどまっている。ブラジル代表の攻撃陣は層が厚いため、今後もアントニーが代表に定着するには、今夏の移籍市場でユナイテッドより適したクラブへの移籍が必要だと同メディアは指摘している。