現在、この島はヴォルガ川の増水による洪水期にあたるため、水面からわずかに突き出た状態にとどまっています。

しかし夏から秋にかけて河川の流入が減少すると、島の地形がさらに浮上し、より明確な“陸地”としての輪郭を見せる可能性があると研究者たちは述べています。

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新しい島/ Credit: Shirshov Institute of Oceanology of Russian Academy of Sciences(2025)

さらに注目すべきは、この島が将来的に持つ「生態系の拠点」としての潜在力です。

研究チームは、今後カスピ海の水位がさらに下がれば、この島が希少な鳥類の営巣地や、カスピ海固有のアザラシ「カスピカイアザラシ」の休息地となる可能性を指摘しています。

これは単なる砂の塊ではなく、新たな命が息づく“未来の楽園”へと変わる予兆かもしれません。

もちろん、そうした希望が現実となるには、今後の水位変動や人間活動による影響を見守る必要があります。

だが、地形の変化を通じて環境が動き、命が移り変わるという自然のダイナミズムが、ここには確かに存在しています。

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参考文献

Russian scientists discover a new island in the Caspian Sea — the world’s largest inland body of water
https://www.livescience.com/planet-earth/rivers-oceans/russian-scientists-discover-a-new-island-in-the-caspian-sea-the-worlds-largest-inland-body-of-water

На севере Каспийского моря появился новый остров
https://tass.ru/obschestvo/24066833