FC東京のゴール裏 写真:Getty Images

 ガンバ大阪・FC東京OBルーカス氏の息子であるFWペドロ・セヴェリーノは、2025年3月の交通事故で一時脳死状態の可能性が報じられたが、順調に回復。事故からおよそ3か月後の6月10日に退院したという。

 現在19歳のセヴェリーノは、2025年はじめにボタフォゴSPからレッドブル・ブラガンチーノへ期限付き移籍。チームメイトとともにレッドブル・ブラガンチーノU20チームのトレーニング施設に向かう際、トラックとの衝突事故に巻き込まれ、病院へ搬送。入院当初は「脳挫傷と診断」「病院で脳死を確認する手続きを開始された」と同選手の症状について報じられ、FC東京が声明を発表するなど、日本サッカー界でも心配の声が広まっていた。

 ただ、入院から2週間後には危篤状態を脱し、一日のうち一定期間、人工呼吸器なしで自発呼吸をすることができるようになるまで回復。4月末に頭蓋形成手術を受けると、5月下旬には運動訓練や会話ができるようになっていた。

 そしてブラジル『ge』は6月10日に「セヴェリーノは98日間の入院生活を経て退院」とリポート。父親がSNSで病室にいる息子の後ろ姿をアップして「多くの苦しみと涙、そして多くの驚きと喜びを経験したが、息子は生きている。これからも生き続けるはずだ」などと綴っているほか、病院は12日に会見を開く予定だという。

 セヴェリーノは右利きのアタッカー。ボタフォゴSPの下部組織でプレーを続けるなか、2023年11月25日のブラジル2部リーグ戦でトップチームデビューを飾ると、2024シーズンもブラジル2部リーグ戦で1試合の出場。2025シーズンはパラナ州選手権1試合でピッチに立ったが、ボタフォゴSPと2027年12月まで契約を残すなか、1年間の期限付き移籍によりレッドブル・ブラガンチーノへ加入している。

 退院したとはいえ、プレー再開まで相当な時間を要する見込み。プロサッカー選手としてのキャリアを続けるのか、本人やクラブの決断にも注目が集まる。