
セリエAのパルマに所属する日本代表GK鈴木彩艶が過去にプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドではなく、ベルギー1部ジュピラー・プロ・リーグのシント=トロイデンを選んだ理由がクローズアップされている。
鈴木は2023年にユナイテッドから移籍金9億円以上での獲得オファーを受けていたが、出場機会を重視してシント=トロイデンを選択した。
オランダとベルギーのサッカー情報を扱うメディア『Get Belgian & Dutch Football News』が6月9日に伝えたところ、シント=トロイデンが鈴木獲得に成功した背景には、鈴木本人の明確な戦略があったとのことだ。
当時の鈴木は出場時間の確保を最優先に考えていた。22歳という若さで可能な限り多くの試合経験を積むことが、将来的にトップクラブへの移籍に繋がると本人は判断していたようだ。
昨2023/24シーズン、シント=トロイデンで鈴木は、当時のトルステン・フィンク監督(現ヘンク)の下で32試合に出場し、セーブ率68.8%、パス成功率75.8%、6回のクリーンシートを記録した。その結果パルマは2024年に600万ポンド(約11億6,229万円)以上を投じ同選手を獲得した。
今2024/25シーズンのパルマで鈴木は、ハイボール処理で98%を上回る成績を記録している。パス数値とセーブ率はベルギー時代よりわずかに低下したが、これはリーグレベルの違いがあり、当然の結果とされている。
鈴木のベルギーでの成長は、同国のプロリーグが若手選手を育成し、上位リーグへと送り出す役割を果たしていることを示している。仮に彼がユナイテッドを選んでいた場合、22歳という若さでこれほど多くの出場機会を得るには、ローン移籍が不可欠だっただろう。
一方、完全移籍で加入したシント=トロイデンでは、正守護神として安定した立場を確保することができた。