この地区は、東進していた流れが南へと進路を変える場所に位置するため、過去には台風により十文字橋が流されたり、周辺の住宅が浸水したりと水害が繰り返されている。久しぶりに釣行すると、川相がまったく変わっていたなんてことも少なくない。

それでも比較的石が大きく、好ポイントが点在する。やぶした、十文字橋周辺、足柄大橋周辺と瀬ありトロありの流れが続く。また、この辺りは送電線が川を横切っている場所があるので、感電には注意のこと。

小田原地区

小田原地区は、電車釣行では、小田急の栢山駅、富水駅、蛍田駅の3駅が使える。オトリは、報徳橋下流左岸の漁協事務所で購入できる。ここまでくると川石は小さくなり、流れも緩やかになる。

「駅チカ&電車で手軽に!」2025年鮎(アユ)釣りおすすめ河川:酒匂川小田原地区(提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

底止めブロックなど人工物によって流れが変化するので、少しでも流れが変化する場所を選んでオトリを入れよう。ただ、時には水深10cmほどの超浅場で目印が吹っ飛ぶので、川へのむやみな立ち込みは禁物だ。同地区では静かに釣ることが一番だ。

狩川

そのほか、同水系の一大支流である狩川でもアユ釣りが楽しめる。遡上の多い年には底が見えないほどに真っ黒な塊が上流を目指す光景が見られる。コロガシ釣りが中心の釣り場だが、上山下橋上流から大泉河原橋間はトモ釣り専用区となっている。

比較的川の規模が大きく水量もあるので、当たれば大釣りが期待できる。また、最近流行始めたアユルアーを使ったアユイングは、狩川で楽しむことができる。

放流に期待

アユの天然遡上だが、今年はあまり芳しくないとのこと。同川漁協の今年の放流計画は海産系人工アユを4000kg。稚アユが6~8gだと想定すると、50~65万尾程度だろうか。状況に応じて追加放流もおこなっているので、堅調に釣れてくると思う。

同川に望むことは、大水が出ないこと。水深が比較的浅いため適度な出水は必要だが、大水が出ると増水と濁りで、1カ月以上も入川できないことも多い。それだけは避けてもらいたい。