③ 一反木綿(いったんもめん)|鹿児島県肝付町

布のような細長い体で空を飛び、人にまとわりついて窒息させるという恐ろしい妖怪。
一反木綿は、鹿児島県肝付町を中心に語られる南九州の伝説です。
その名前のとおり“一反”(約10メートル)ほどの布状の姿で、夜になると空を舞うといわれています。
しかし、水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』に登場して以降は、かわいらしいキャラクターとして全国的に有名になり、怖い妖怪から愛される存在へと変化しました。
肝付町では一反木綿をモチーフにした土産や像もあり、地域の観光資源としても活用されています。
④ のっぺらぼう|東京都(番町皿屋敷など)

のっぺらぼうは、顔に目鼻口がまったくない人間のような姿をした妖怪で、江戸時代の怪談に頻繁に登場します。
最も有名なのが、東京都千代田区に伝わる「番町皿屋敷」の話に登場するバリエーション。
人々が夜道を歩いていると、突然現れた人の顔が“つるり”と何もないのっぺらぼうであったという描写が多く、心理的な恐怖を煽るタイプの妖怪です。
直接危害を加えることは少ないものの、「見てはいけないものを見てしまった」ような背筋の凍る感覚を与えます。
現代でも都市伝説やホラー作品にたびたび登場し、そのインパクトは色あせることがありません。
⑤ 座敷童子(ざしきわらし)|岩手県・遠野市

座敷童子は、東北地方を中心に語られる福の神的存在。
子どもの姿で家の中に現れ、その家に幸運をもたらすと言われています。
逆に、姿を見なくなると不幸が訪れるとも。
特に有名なのが、岩手県遠野市にある「緑風荘」。
座敷童子の目撃談が多発し、“出る宿”として一躍有名になりました。
実際に泊まった人の中には「宝くじが当たった」「事業が成功した」といった話も多数あり、スピリチュアル好きの間では“人生が変わる宿”として知られています。
妖怪でありながら「会いたい」と願われる数少ない存在です。