
欧州サッカー連盟(UEFA)が2018年に導入したUEFAネーションズリーグ(UNL)の成功例を踏まえ、アジアにおける代表チームの実力格差や親善試合の機会減少を考慮にアジアにも「AFC(アジアサッカー連盟)ネーションズリーグ」が必要なのかもしれない。
AFCには現在47のサッカー協会が存在し、UEFAの55に次ぐ規模となっている。しかし、AFC内の各代表チームが顔を合わせる機会は、FIFAワールドカップ(W杯)のアジア予選と4年に1度のAFCアジアカップに限られている。とくに南アジアや東南アジアのチームは、W杯アジア最終予選に進むことすら難しく、近年で最終予選に進出したのはベトナム、タイ、インドネシアに限られている。
UNLは親善試合に代わる公式大会として欧州各国に定着しつつある。UNL2024/25では、FWクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)を擁するポルトガル代表が6月9日に行われた決勝でスペイン代表と2-2(延長0-0)で引き分けた末、PK戦を5-3で制して優勝した。
UNLは、親善試合では得られない緊張感と競争環境を生み出している。同大会では各国が実力別にリーグ分けされ、昇格や降格、さらにはW杯予選プレーオフ出場権といった具体的なインセンティブも設けられている。
例えば、2026W杯欧州予選では、各予選グループで2位になった12か国がプレーオフに進出する。それに加えて、ネーションズリーグの全リーグ(A~D)のグループ1位チームのうち、W杯本大会への出場が決まっていない国から、成績上位4か国がプレーオフに追加される仕組みとなっている。
アジアでも同様の仕組みを導入すれば、ラオス、カンボジア、ブルネイのような国々にも継続的な強化の道が開かれる可能性がある。仮にAFCネーションズリーグが実現すれば、47の加盟国をディビジョンA(12チーム)、ディビジョンB(12チーム)、ディビジョンC(11チーム)に分ける形が現実的だろう。