スローシンキングといっても、実際はほとんど沈まない。水中40cm程度まで自重で落ちていくという程度だ。投げて引いていると簡単に浮かび上がるので、ほとんどフローティングミノーと考えていい。

つまり表層1本狙いのルアーである。こいつを使うのは、もちろん夜のメバルが本格化してきたタイミングだ。マヅメが終わり、プランクトンパターンないしベイトフィッシュパターンが明確となってきた頃に(大体日没1時間後といわれる)、投入する。すると、浮いてきたメバルが食ってくるわけだ。

沈んだ相手にシンキング

さて、では私が頭の中で考えた理屈を、そのまま実釣で落とし込んでみよう。どうなるか?

まずはシンキングタイプをチョイスした。時間帯は、日没直後。まだ残照が残っており、辺りは仄暗いという程度だ。こいつを足元際に投げていると、なんということか、いきなりシーバスが釣れてしまった。これはちょっと予定とは違うが、こんなこともある。

「シンキング」と「スローシンキング」のルアー使い分け方を実践解説 魚の活性や時間帯から考えようシンキングミノーにシーバス(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

そうこうするうちに完全な夜となってしまったので、今ひとつのスローシンキングタイプのものを取り出す。数投流す。すると、どうもうまくいかないものである。またしてもこれにシーバスがついた。「あっ、大きい」とぐんぐん下に引き込む。おそらく80cm級だったのだろう、切られてしまった。

これでは検証ができないので、ここで隠し持っていた、予備の、というか私の手元にもともとあったSSタイプの色違いのカラーでいく。すると、やはり簡単にメバルがついた。夜の典型的なパターンだ。

「シンキング」と「スローシンキング」のルアー使い分け方を実践解説 魚の活性や時間帯から考えよう表層でメバルをキャッチ(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

これで、SSタイプの使い方と自説は一致したことになる。さて、Sタイプはどうするか…。

沈んだ相手に最後にシンキング

そろそろ魚がスレてきたタイミング。ここで、再び先ほどシーバスが食ってきたシンキングのミノーをつけた。十分にカウントダウンして、スローに引いてくる。早く巻いてしまうと浮き上がってしまうので注意が必要だ。