日本の少子高齢化がますます深刻になってきました。今週発表された2024年の人口動態統計によると、国内で生まれた日本人の子どもの数は前年比5.7%減の68万6061人となりました。これは統計のある1899年以降最低の数字です。

国の想定より15年も早いペースで日本の人口減少が進んでいるのは深刻な問題です。

そして、子どもの数が減るのと同時に平均寿命が延びることで相対的に増えていくのが高齢者です。

日本の人口ピラミッドは、もはやピラミッドのような三角形ではなく逆三角形に近い形に変わりつつあります。

今朝の新聞のチラシを見ると、入っているのはお墓の広告、そして不用品の買取を行う断捨離のお手続きをする会社が入っていました。

明らかに高齢者をターゲットにした織り込みチラシです。

テレビの地上波を見ても、番組は昭和の懐かしい映像を流しているようなものばかり。そしてCMも高齢者向けの健康食品や薬、お葬式、高齢者が入れる保険などが流れています。

新聞を購読して地上波を見ているのは今や高齢者が中心で、若年層は新聞は読まずネットで情報収集します。テレビは見ないでユーチューブやネットフリックスを見ているのです。

高齢者に関してはインフレの中で年金生活者の厳しい生活が報じられていますが、その陰に隠れて豊かな老化を謳歌しているシニア層が意外にたくさん存在しています。

このような富裕層高齢者マーケットは将来さらに大きくなっていくことは確実です。これからのビジネスチャンスの1つは、この購買力の強いシニアへのアプローチにあると思います。

しかし、そんな「パワーシニア」はテレビや新聞のようなオールドマスメディアではなく、信頼できるコミュニティのようなプライベートなネットワークの中で口コミからの情報を重視するのではないかと思っています。

シニアと若者の間で大きな断層ができているのと同時に、シニアの中にも年金生活だけの経済的に厳しい人たちと、まとまった資産を持ち経済的に余裕のある人たちに分断され、それぞれのライフスタイルが異なるものになっている。