三菱UFJ信託銀行は6日、自然由来のカーボン(炭素)クレジット創出・販売を手掛けるグリーンカーボン(東京都港区)と、フィリピンの水田でのメタンガス排出削減による2国間クレジット制度(JCM)を組成する共同実証を開始したと発表した。今後10年間で合計約100万トンを超える炭素クレジット創出し、日本企業に販売することを目指す。
農業由来の民間JCM組成は邦銀としては初めてだという。対象とするのはフィリピン・ヌエバビスカヤ州の水田。数日おきに入水と自然乾燥を繰り返す「間断かんがい」と呼ばれる手法を用い、メタン生成菌を抑えることでガス発生量を削減しクレジット化する。今年3月から既にパイロット実証を始めており、今後3年以内に同州のかんがい水田全域となる約2万ヘクタールに展開する計画だ。
再エネや森林由来などの炭素クレジットに比べて「価格優位性がある」(グリーンカーボン)という。日本では26年度から排出量取引制度の本格運用が始まるが、炭素クレジット創出量の不足が課題となっており、三菱UFJ信託は「高品質かつボリュームが期待できるクレジットの創出・拡大を図り、脱炭素化の取り組みを支援する」としている。(了) (記事提供元=時事通信社) (2025/06/06-14:34)