キム・スンギュ 写真:Getty Images

 ヴィッセル神戸、柏レイソル在籍歴のある韓国代表GKキム・スンギュは、ベルギー1部アントワープへの移籍が報じられているGK野澤大志ブランドンにかわる守護神として、FC東京へ加入する見込み。2024/25シーズンまで在籍のサウジアラビア1部アル・シャバブFCを退団するとみられるが、Jリーグ復帰の理由はサウジアラビアでの給与未払いの他にあるという。

 アル・シャバブFCの給与未払いについては、韓国メディア『スターニュース』は2025年3月に3か月間にわたる未払いを受けて、選手たちが練習参加を拒否したと報道。FIFA(国際サッカー連盟)から補強禁止処分を受けるなど、クラブを取り巻く状況が芳しくないことが、キム・スンギュの去就に影響を与えたとみられる。

 これにくわえて、家庭の事情もJリーグ復帰を後押しした模様。キム・スンギュは2024年4月にモデルと結婚したが、妻は自身のVlogで「旦那と離れて過ごすのは寂しい」などと自身の心境を吐露。選手本人はサウジアラビアで一人で日々を過ごしていたが、妻の思いを汲み取り、同居可能な場所を新天地に選んだとみられる。

 キム・スンギュは神戸や韓国1部・蔚山現代FC、柏などを経て、2022年7月に柏からアル・シャバブへ完全移籍。加入1年目からリーグ戦全30試合スタメン出場と、正守護神としてチームをけん引していた。しかし、2023/24シーズン以降は前十字靭帯断裂という大怪我により、長期離脱を繰り返している状況。2024年10月に再び前十字靭帯に問題を抱え、 2024/25シーズン中の復帰は叶わなかった。

 給与未払い、2度にわたる長期離脱、妻と離れ離れの日常生活と、サウジアラビアでの日々で困難に直面していたキム・スンギュ。コンディションは万全でないとみられるが、本人は日本という慣れ親しんだ場所での完全復活を望んでいるだろう。