おはよう美術館。

雨上がり、零下の朝。アレクサンドル3世橋はうっすら氷はっててツルツルすべる。久々の太陽が神々しすぎる。シュミットみたいに太陽に全身向けて深呼吸。

”心から手へ ドルチェ&ガッバーナ”展、グラン・パレ。

絶賛の噂は聞いていたけれど、想像以上にすばらしすぎる。

グラムールでエレガントでエクストラヴァガンで、華やかで神々しくきらめいていて、めくるめくような感動の数々。

信じられないほどの才能を持った二人のアーティストの、イタリア、シシリア、古代ギリシアや古代ローマから続くイタリアの歴史、キリスト教、オペラや映画といったイタリアアートなどへの、溢れ出てとまらない深い深い愛情と感情に埋もれてしまうよう。

愛情が深すぎて、どこかしら、せつなさというか小さな痛みを胸に感じる。なんて言うんだろう、ここまでしないとオートクチュールの美学という感動は表現できないのか、、、という、ほんの少しの辛さ。

あまりの美しさに圧倒されればされるほど、二人の剥き出しの心と魂がアートに差し出されている感じに囚われる。だからこそのタイトルなのかもしれないけれど。

「山猫」久しぶりに見たい、パヴァロッティ聴きたい、ラ・スカラでイタリアオペラ観たい、ヴェネツィアのガラス工房行きたい、そしてなによりもシシリアに行ってみたい。

作品から溢れ出る感動的な存在感をセノグラフィーがものすごく盛り上げてる。誰がやったのか、最初の部屋で一目瞭然。

素晴らしい展覧会というより、ドルチェ&ガッバーナという世界と二人の心の中を彷徨える体験みたいな感じ。必見。毎週再訪したいくらい。毎日でもいいけど、観すぎると、精神、持っていかれちゃうだろうなぁ。と言うくらい、感動体験。

編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々6」2025年2月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々6」をご覧ください。