2つの世界線の重なりから1つの電池に充電する / 図は「量子ビット(電池)が二つの経路を同時に取ったとき、充電プロセスがどう見えるか」を二通りに描き分けています。パネル A では、ビームスプリッターを通過した量子ビットの波動が左右に完全に分かれ、離れた位置に置かれた二つの小さなキャビティへ同時に侵入します。画面の左右端に独立した充電器が配置されているため、量子ビットが本当に「空間的に二分身した」かのような距離感が強調され、世界線AとBが物理的に離れた場所で並行して充電しているイメージが直感的に伝わります。いっぽうパネル B ではキャビティ自体は一つだけで、その外壁に二つの入口が設けられています。量子ビットは同じビームスプリッターで分岐した後、ひとつの共通空間にあるキャビティに別々のドアから同時に入るので、「二つの場所」というよりは「ひとつの空間に二方向から同時訪問して干渉する」構図になります。結果として A は“遠く離れた二地点を跨ぐ分身”、B は“同一地点を複数経路で貫く分身”という違いになります。/Credit:Quick charging of a quantum battery with superposed trajectories