会計基準を海外のものに合わせていくという流れ

 メガバンク関係者はいう。

「スタートアップの活性化を促す可能性はあると思います。一方で、買収先の業績が悪化した際に減損を計上するかどうかの判断が、企業に委ねられる部分が大きくなるため、突発的に一気に減損計上が発生するというリスクが高くなりますし、買収のハードルが低くなると精査が甘くなるということも考えられるので、株主・投資家にとっては新たなリスクも生じることになります。よって、トータルでみるとメリットとデメリットのどちらが大きくなるのかは、なんともいえませんが、会計基準を海外のものに合わせていくというのが基本的な流れなので、『のれん』の償却についても見直しの方向で進んでいくのだと考えられます」

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=中沢光昭/リヴァイタライゼーション代表)