同チャンネルは「ロシアの未来」と呼ばれ、非政府組織「国境なき記者団(RSF)」と共同でパリから衛星システムを通じて放送される。
ナワリヌイ氏は昨年2月16日、収監先の刑務所で死去した。47歳だった。同氏は昨年末、新たに禁錮19年を言い渡され、過酷な極北の刑務所に移され、厳しい環境の中、睡眠も十分与えられず、食事、医療品も不十分な中、独房生活を強いられてきた。死亡診断書には「自然死」と記載されていた。
ナワリヌイ氏は2020年8月、シベリア西部のトムスクを訪問し、そこで支持者たちにモスクワの政情や地方選挙の戦い方などについて会談。そして同月20日、モスクワに帰る途上、機内で突然気分が悪化し意識不明となった。飛行機はオムスクに緊急着陸後、同氏は地元の病院に運ばれた。症状からは毒を盛られた疑いがあった。交渉の末、同年8月22日、ベルリンのシャリティ大学病院に運ばれ、そこで治療を受けた。ベルリンのシャリティ病院はナワリヌイ氏の体内からノビチョク(ロシアが開発した神経剤の一種)を検出し、何者かが同氏を毒殺しようとしていたことを裏付けた。
ナワリヌイ氏は2021年1月17日、治療が終わると、ドイツのベルリンからモスクワ郊外の空港に帰国した。その直後、逮捕された。同氏の死後、ユリア・ナワリナヤさんが夫の遺志を継ぎ、海外でロシア反体制派の結束のために努力している。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年6月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。