5月中旬、雨の日に京都・嵯峨野を歩きました。

祇王寺から少し南に歩を進め、やってきたのは常寂光寺。秋の紅葉で有名なお寺ですが、青もみじもとても美しい。大好きなお寺で過去に何度も訪れているのですが何度来てもあきないです。

茅葺屋根の仁王門は江戸時代初期に移築されたもの。

入場料500円を払って中に入ればすぐにこのような一面の青もみじの世界に入ります。

仁王門にかかる草鞋がどこか寂しさを感じさせます。

仁王門を潜ると現れる階段。常寂光寺は高低差のある寺でここから上へ上へと登っていきます。

階段を登り仁王門を見下ろします。緑一色の景色の中にどこか薄暗い寂しさを感じます。これが常寂光寺の「寂」なのでしょうか。

階段を登ると本堂が現れます。常寂光寺は江戸時代初期の慶長年間に大本山本圀寺第16世究竟院日禛上人により開創されました。本堂は小早川秀秋公の助力を得て、伏見桃山城客殿を移築し造営されたものとされています。本堂も茂る青もみじの葉で飾られます。

妙見堂は北極星を象徴した妙見菩薩を祀ります。ここの西を流れる保津川が洪水した際に流れ着いた妙見菩薩をここに祀ったものです。

常寂光寺は階段を登った場所にあるため、京都の街並みを見通すことができます。こちらは妙見堂のそばの展望所からの風景。

ここからさらに竹林の脇を通って上に登っていきます。嵐山の竹林は外国人観光客を中心とした観光客で連日大賑わいですが、こちらは寺の中ということもありかなり静か。落ち着いて竹林から発されるマイナスイオンを浴びることができます。

登った先にあるのがこの多宝塔。均整の取れた仏塔の中には釈迦如来と多宝如来が祀られています。釈迦の説法を多宝如来が効いたところ感嘆して半座を開け並んで座ったとされています。また、その釈迦が説法をしている際に七つの塔であったという説話があり、多宝塔はその説話から派生して登場したと考えられます。