■ラスプーチン“伝説”は想像力の産物!?

 そして第3の仮説は思わず拍子抜けするものだ。

 米メディア「Mental Floss」の記事によればラスプーチン暗殺事件を捜査した当時のサンクトペテルブルク警察署長が、犯人たちの行動はこれまでのキャリアの中で最も“無能”なものであったとの言及を行っていたという。警察署長はこの事件において暗殺計画も遺体処理においてもあまりにも杜撰であることを指摘したのである。

 遺体を急いで捨てようと慌てた一行は、袋に重しを入れるのを忘れており、1917年の検死結果によると遺体からは毒物の痕跡は発見できていない。

 1934年には作家のジョージ・ウィルクスが『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』誌上で、ユスポフの記述から考えられる可能性は1つしかない、すなわちラスプーチンにはシアン化物が投与されていなかったと述べている。

 ウィルクスは「ラゾヴェルト医師がラスプーチンを毒殺しようとしたのなら、それは失敗したことになる」と記しているのだ。

 その約20年後、ラゾヴェルト医師はこの疑惑を認めた。彼は臨終の床で、土壇場で良心と“ヒポクラテスの誓い”に従って毒を無害な粉末にすり替えたと告白したのだという。

 最初の銃撃でラスプーチンが死ななかったのも、単にユスポフが銃の扱いに不得手であったためである可能性も疑われてくるだろう。

 毒が通用せず、銃で撃ってもなかなか死ななかったというラスプーチンを悪魔や死神のように描いた“伝説”は、実は犯行グループの杜撰さが想像力を膨らませる余地を多く残した結果であるとすれば確かに拍子抜けは否めないが、可能性としては大いにあり得そうでもある。

文=仲田しんじ

p>提供元・TOCANA

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