実は“人工頭蓋変形”か?古代の風習が示す可能性
しかし、専門家の見解はより現実的だ。オックスフォード大学のリック・シュルティング教授は、この頭蓋骨が「人工頭蓋変形」と呼ばれる文化的風習の結果である可能性が高いと述べている。
これは、古代の南米や世界各地の文化で広く行われていた儀礼的習慣で、社会的地位や所属集団、宗教的信仰を示すために、幼児の柔らかい頭部に布や板を巻き付けて頭蓋骨の形を意図的に変形させるものだという。シュルティング教授は「この行為によって健康被害が出たという証拠はない」とも付け加えている。
また、ウィンチェスター大学の生物人類学者ヘイディ・ドーソン=ホビス博士は「この頭蓋骨は若年者のものと思われる」とし、写真だけでは断定できないが水頭症(脳に水がたまる症状)の可能性も否定できないと語っている。

(画像=人工頭蓋変形は世界各地で見られ、形状は丸型や円錐型など多様だ。写真は6世紀初頭のアレマン人による極端に細長い頭蓋骨の例 画像は「Daily Mail Online」より、『TOCANA』より 引用)