そのようなバックグランドもあって、「レオ14世は反トランプ派だ」とメディアでは報道されてきたが、選挙記録によれば正式には米国共和党に属していたと主張する声がある。トランプ支持者グループの保守派団体「ターニング・ポイント・アクション」のチャーリー・カーク氏はXへの投稿で「レオ14世の投票記録を保有している。彼は共和党員として登録されており、海外に住んでいない時は共和党予備選挙で投票していた。彼は熱心な共和党支持者であり、中絶反対派だ」と語っている。

イリノイ州ウィル郡司法長官事務所がユーロベリファイに提供した州選挙記録によると、プレボスト氏は2012年、2014年、2016年の3回共和党予備選挙に参加していたという。

プレボスト枢機卿は4月、トランプ米大統領の移民政策、特にメリーランド州在住のキルマー・アブレゴ・ガルシア氏をエルサルバドルに強制送還するという物議を醸した決定を批判する投稿をシェアしたことがある。だから、新教皇は反トランプ派だ、とは言えない。カトリック教会の聖職者として苦境にある移民に同情し、連帯感を示す以外に他の選択肢は考えられるだろうか。一方、同枢機卿は中絶問題ではほぼ共和党の見解と同じだ。

ドイツの歴史家で教皇専門家のフォルカー・ラインハルト氏は「シュピーゲル」誌に寄稿し、「レオ14世はイデオロギーの違いを調停できる仲介者となれる可能性がある」と述べている。

ラインハルト氏は「レオ14世になる前、プレボスト枢機卿は、アウグスチノ会の修道士、宣教師、ペルーの司教、そして最終的にはフランシスコ教皇の統治下で高位聖職者といった具合で、多くの立場を経験してきた。こうした多様な経験を通じて、レオ14世は橋を架け、妥協を促進する特別な能力を持っている。どの政党にも属さず、多くの人々に多くのものを与え、ほとんど、あるいは全く他者を傷つけない教皇は、さまざまなイデオロギーの流派の関心を引く可能性がある」と付け加えた。