実際、研究者らは脳神経への介入によって腸内細菌叢を操作し、健康に好影響をもたらす治療戦略の可能性に期待を寄せています。
腸内細菌叢は近年「もう一つの臓器」とも呼ばれるほど健康に重要だと注目されていますが、本研究はその腸内細菌叢が決して独立独歩の存在ではなく、脳という司令塔からの指令によりダイナミックに影響を受ける相棒でもあるわけです。
食べ物を介さずとも脳が腸内細菌叢を短時間で調節できるという発見は、私たちの体が持つ精巧な自己調節システムの一端を物語っているのかもしれません。
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元論文
Rapid modulation of gut microbiota composition by hypothalamic circuits in mice
https://doi.org/10.1038/s42255-025-01280-3
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部