さらに、毎日の挨拶は「単純接触効果」を生み出します。これは、接触回数が増えるほど好感度が上がるという心理効果で、営業やマーケティングでも活用される原理です。
「おはようございます」だけでなく「○○さん、おはようございます」と名前を添える。認知心理学では「カクテルパーティー効果」と呼ばれ、相手の注意を確実に引きつけます。挨拶の後に一言添える。「今日は冷えますね」「昨日のプレゼン、お疲れさまでした」など。この一言が、形式的な挨拶を温かいコミュニケーションに変えることができます。
挨拶を変えると何が変わるのか
スティーブ・ジョブズは「イノベーションは、リーダーとフォロワーを分ける」と言いました。しかし、イノベーションの前に、人と人をつなぐ基本的なコミュニケーションがなければ、どんな革新的なアイデアも実現しません。
挨拶は、その第一歩です。
明日の朝、オフィスに入るとき、いつもと違う挨拶をしてみてください。その小さな変化が、あなたのキャリアに大きな違いをもたらすかもしれません。挨拶とは「私はあなたの存在を認識し、大切に思っています」というメッセージだからです。そして、このメッセージを毎日発信し続ける人が、組織で真に評価される人材となるのです。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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22冊目の本を出版しました。
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