仕事の効率化やエンタメ目的だけでなく、精神的な導きや人生の意味を求めてAIに頼る人々が増えている。しかし、その結果として、時に深刻で心をかき乱すような事態が起きているという。ローリングストーン誌の報告によれば、AIが引き起こす妄想が人間関係を悪化させ、現実と空想の境界線を曖昧にしているケースが後を絶たない。
ある女性、キャットさんは、夫がChatGPTを使って自分たちの結婚生活を分析することに夢中になり、最終的に陰謀論にのめり込み、感情的に孤立して関係が破綻したと語る。彼はAIの助けを借りて「驚くべき秘密」を発見したと信じ込んでいたのだ。
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「AIに選ばれた救世主」? ネットで語られる戦慄の体験談
これは決して特殊なケースではない。大手掲示板Redditには「ChatGPTが誘発した精神病」と題されたスレッドが存在し、AIによって「神聖な使命に選ばれた」と信じ込むようになった近しい人を持つ人々の声が集まっている。
ある教師は、パートナーがChatGPTの導きにより、自分を現代の救世主だと考えるようになったと描写。また別の女性は、整備士の夫がAIの謎めいた返答に触発され、自分は「火花を運ぶ者」であり、より高次元の使命を負っていると確信するようになったと語る。これらの話は、AIの権威的な口調や想像力豊かな物語性が、不安を鎮めるどころか、かえって妄想を助長してしまうという、広がりを見せる心理現象を示唆している。