サイコパスはモテるのか――。このシンプルな問いの答えは“イエス”であることが最新の研究から報告されている。
■サイコパスの顔は信頼感を得ていた
2000年のアメリカ映画『アメリカン・サイコ(American Psycho)』のクリスチャン・ベールに代表されるように、映画の中でサイコパスを演じるのはきわめてハンサムな俳優であることが多い。
そして新たな研究ではその理由を裏付けるかのように、サイコパス的要素を色濃く持つ人物は魅力的に見えることが報告されている。
中国・湖南師範大学をはじめとする研究チームが今年4月に心理学の学術誌「Personality and Individual Differences」で発表した研究では、サイコパス(精神病質)的特徴を持つ男性は女性からより魅力的であると評価されることを明らかにしている。
サイコパスは数十年にわたって広く研究されてきており、これまでの研究でサイコパスの独特の視線の動きや、サディズム傾向、独身であることなどとの間に関連性があることが明らかになっている。
しかしこれまでサイコパスと信頼性の関係についてはほとんど研究されてこなかった。
そこで研究者らは、反社会的行動や問題行動を起こしやすい人格特性であるナルシシズム、マキャベリズム、精神病質というダークトライアド(Dark Triad)の特徴をさまざまな程度に持つ男性の写真を592人の女性参加者に見せて評価してもらった。
調査は4つのパターンで行われ、程度の異なるダークトライアド特性を持つ複数の男性のニュートラルな表情の顔写真を見せ、信頼性、優位性、外向性、魅力を評価するよう要求した。
女性たちの回答データを分析した結果、4つの調査すべてにおいて、ダークトライアド特性が高い男性はより信頼でき、魅力的であると評価されていた。
「短期的な協力の場面では、ダークトライアド特性の高い個人はより多くの信頼が得られる傾向があります。(これは)顔の特徴によってより魅力的に見えることが一因です」と研究チームは説明している。

意外なことに、サイコパス特性のレベルが高い男性の顔からは支配性と外向性は特に強く感じられていなかった。あくまでもサイコパスの顔は信頼感を真っ先に醸し出しているのである。
サイコパス特性は犯罪者に多いといわれているが、彼らの犯罪が成功するのは醸し出している“信頼感”で協力者を得られやすいからかもしれない。
また誘拐事件や監禁事件などにおいて、被害者が犯人との間に心理的なつながりを築いてしまう「ストックホルム症候群」もまた、犯人のサイコパス特性と強い関係があってもおかしくないのだろう。
初対面で思わず信頼してしまう人物と出会うことがあるかもしれないが、どんなに好印象でもいったんは慎重になってみるべきなのかもしれない。
文=仲田しんじ
提供元・TOCANA
【関連記事】
・初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
・航空機から撮影された「UFO動画」が公開される! “フェニックスの光”に似た奇妙な4つの発光体
・有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
・ネッシーは巨大ウナギではない! 統計的調査結果から数学者が正体を予測
・積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?