欧州最高峰の決戦が5月31日、フースバル・アレーナ・ミュンヘンで火蓋を切る。70回目のチャンピオンズリーグ決勝はパリ・サンジェルマンとインテルの激突だ。インテルは延長の末にバルセロナを退け、パリ・サンジェルマンはアーセナルを倒して勝ち上がった。タイトル数で勝るインテルに対し、悲願の初制覇を狙うパリ・サンジェルマン。歴史と渇望が交差し、90分間の戦術戦が幕を開ける。

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 欧州CLで3度の優勝を誇るインテルは、シモーネ・インザーギが磨く3-5-2でブロックを構築。ボールを奪ってから縦へ牙をむくラウタロ・マルティネスとマルクス・テュラムの2トップが相手守備陣の背後を突き、両翼デンゼル・ダンフリースとフェデリコ・ディマルコが決定的なパスを供給。アレッサンドロ・バストーニ、フランチェスコ・アチェルビ、バンジャマン・パバールの3バックがゾーンを締める。

 対するパリ・サンジェルマンは、ルイス・エンリケの4-3-3。ジャンルイジ・ドンナルンマからアシュラフ・ハキミ、ヌノ・メンデスへつなぐビルドアップで圧を回避し、ウスマヌ・デンベレの高速ドリブルと、ウォーレン・ザイールエメリのライン間への侵入で数的優位を生み出す。ポゼッションの緩急とインテルの即時攻撃、その対比が勝負の焦点となる。

 両チームで注目の選手を取り上げたい。インテルは、大会9得点を挙げるラウタロ・マルティネスがインテルの切り札。背後へ抜けるポストワークで得点機をうかがう。

 パリ・サンジェルマンのキーマンは、右サイドのアシュラフ・ハキミ。高い位置取りと縦への推進力で数的優位をつくり、準決勝でも決勝点を決めた勝負強さを示した。守護神ジャンルイジ・ドンナルンマと、インテルの鬼神ヤン・ゾマーのセーブ合戦も勝敗を左右しそうだ。

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