山下良美氏 写真:Getty Images

 明治安田J2リーグ第17節のレノファ山口対藤枝MYFCが、5月25日に開催。後半アディショナルタイムにボールとは関係ない場所で2選手のコンタクトが発生したものの、山下良美主審がファウルをとらなかった。

 0-0で迎えた後半アディショナルタイムの90+4分、DF岡庭愁人(山口)が敵陣左サイドからのドリブル突破を試みた際、MF川上エドオジョン智慧(藤枝)に倒されたが、同時に藤枝の自陣ペナルティエリア内では、MFシマブク・カズヨシ(藤枝)がDF喜岡佳太(山口)に対してコンタクトし、喜岡が倒れた。

 この時、山下主審はバイタルエリアに立っていたが、視線を岡庭と川上の1対1の局面に向けていたため、ちょうど反対側で起こっていた肘打ち行為は視界に入っていなかった。そのため、同主審は川上のファウルをとり、同選手にイエローカードを提示した一方、シマブクのファウルはとらず。当然ながら、シマブクに対するカードはなかった。

 2つの事象が同時に発生する時の様子は、スクリーンショットによりSNSで拡散されるなど話題に。山下主審の立ち位置に注目が集まっているが、シマブクの接触行為を副審が確認すべきだった、山下主審が副審から情報収集した上で、シマブクのファウルをとるべきだったとの意見が上がっている。

 ただ、当該シーンを巡って、山下主審に対する過度な批判はほとんど見られず。ファウルとみられる事象が同時に起こっただけに、VAR(ビデオアシスタントレフェリー)が存在しないJ2リーグ戦におけるジャッジの限界が浮き彫りになった格好だ。