ロシアの謎の短波放送“終末ラジオ”こと「UVB-76」が不可解な2分間の放送を行っていた――。何を伝える放送だったのだろうか。
■米露大統領の電話会談で再び放送された“終末ラジオ”
5月19日、トランプ大統領がロシアのプーチン大統領と電話会談を行った。プーチンは即時停戦には応じる姿勢を見せなかったが、ウクライナとの覚書作成には前向きとの意向を示したといわれている。一方でトランプは、進展がなければ仲介から手を引く可能性があることを示唆した。
2人の大統領が会談中、いつもはブザー音しか発していないロシアの謎の短波放送“終末ラジオ”こと「UVB-76」が不吉な放送を行っていたことがわかっている。ウクライナの停戦交渉を目的とした両首脳の重要な協議の最中であっただけに、その不気味なタイミングは情報当局の間で疑問を募らせている。
モスクワから約30キロ離れた謎の短波放送局は2つの暗号化メッセージを送信した。まず最初に、
「NZhTI 89905 BLEFOPUF 4097 5573」
その数時間後に、
「NZhTI 01263 BOLTANKA 4430 9529」
である

“ザ・ブザー”、“デッドハンドラジオ”、そして“終末ラジオ”など、さまざまな名前で知られるこの不可解なラジオ局は冷戦時代から存在しており、今も放送を行っている。
普段は奇妙なブザー音を発しながら24時間稼働している“終末ラジオ”だが、時々謎めいたメッセージを放送している。
時折放送さてれるこれらのメッセージが実際に何を意味しているかは不明だが、この放送局は軍の施設にあると考えられ、核戦力に関係している可能性が推測されている。
先月にトカナでもお伝えしたように、4月14日には「ネプチューン(Neptune)」、「サイマス(Thymus)」、「フォックスコート(Foxcoat)」、「ヌートバックス(Nutobucks)」という4つの単語を放送している。
またトランプとプーチンの最初の停戦交渉の電話会談が行われた2月12日、同局は25回もの放送を行っており、インターネット上では不穏な憶測を呼んだ。
これらの放送された内容が実際に何を意味するのかは不明だが、この放送は軍事目的であると広く考えられている。
英ロンドン大学シティ校の電子・無線工学の専門家であるデイビッド・スタプルズ教授は、この謎の放送は核戦争に備えて確保してある“安全装置”である可能性が高いと示唆した。
アマチュア無線家や独立した研究者が“終末ラジオ”に初めて真剣に取り組みはじめたのはソ連時代の1982年といわれている。
当時、この放送局は謎めいたビープ音だけを放送していたが、90年代に入る頃にビープ音のパターンは変化し、1分間に25回、1秒未満続くブーンという音が繰り返され、時折、不吉な霧笛のような音が伴うようになった。

1990年代を通じて、このブザー音は、ランダムな名前、単語、数字のリストと思われるものを読み上げる匿名の男性と女性の声によって散発的に中断された。
ブザー音のピッチとトーンも時を経て変化しており、微妙な音声の変化を通じて秘密の情報を暗号化している可能性もある。
スタプルズ教授によると複雑で予測不可能な信号を数千ワットもの電力を使用し、あらゆる方向に放送しているという。
ロシアはこの短波放送について公式な説明をしていないが、専門家は地政学的緊張を激化させる可能性があるため、いかなる結論も急ぐべきではないと警告している。
はたして次に放送されるのはどのタイミングなのか。不気味な“終末ラジオ”の謎はこれまでのところヒントすら見つかっていないといえそうだ。
文=仲田しんじ
提供元・TOCANA
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