製品化までの間に競合他社が先を行ってしまう可能性も
エクサウィザーズ「AI新聞」編集長・湯川鶴章氏はいう。
「個人の考え方、趣味・嗜好、行動履歴といったものをすべて理解した上で、その個人に最適な答えを返すパーソナルAIエージェントが急速に普及してきており、そのパーソナライゼーションの部分の開発をめぐる競争がAI市場の勢力図を大きく左右するといわれていますが、膨大な量の個人ユーザーのデータを持つマイクロソフトやグーグルと異なり個人情報をあまり持っていなかったOpenAIは、これまでアップルと組みたいと考え接近していました。アップルのiPhoneのなかにデフォルトでGPTを組み込んでもらうことによって、アップルが持ってるユーザーの情報を使ってパーソナライゼーションを強化しようとしていたんですね。ですが、アップルはなかなか首を立てに振らずに、あくまでも外部アプリの一つとしてしか取り扱ってくれず、デバイスを使ったパーソナライゼーションが思うようにできない。そこで自分たちでデバイスをつくるしかないと考え、アイブ氏の会社を買収したのだと推察されます。
ですが、新端末の発表は1年以上も先の予定ですし、アイブ氏は天才的なデザイナーなので、ものすごい端末を開発する可能性はあるものの、製品化までの間に競合他社がどんどん先を行ってしまうという展開は考えられます。
また、AIの競争のカギがコストパフォーマンスになりつつあるなか、グーグルは非常に効率の良いデータセンターを自前で運用することで高い価格競争力を実現していますが、OpenAIがソフトバンクとのStargate Projectを通じて進めるデータセンターの建設は、完成が2~3年先になるので、そのあたりの年単位のタイムラグというのがOpenAIにとっては不利に働くかもしれません」
(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=湯川鶴章/エクサウィザーズ・AI新聞編集長)
提供元・Business Journal
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